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カーボンオフセットとは?―そもそも論の視点から―

環境行政・統計情報 ナビゲーター 松原 弘直 (まつばら ひろなお) {プロフィール}

2009年04月13日

太田豊彦

多様化するカーボンオフセット
昨今、「カーボンオフセット」という表記を目にする機会が増えた。
その理由の一つに、カーボンオフセットというワードの持つ意味が“多様化”したことが挙げられる。つまり、キーワードとしての定義だけではなく、あらゆるシチュエーションにおいて広義に解釈された使われ方が目立ってきたのである。
では、本来の「定義」は一体何であったか?本稿では「定義」を含め、カーボンオフセットの本来の意義を改めて見つめ直すことにより、今日カーボンオフセットが抱える課題を浮き彫りにする。

カーボン・オフセットの定義
まず、ひとつは言葉の意味である。
カーボンとは、炭素[C]であり、燃焼すると[CO2]となることから、主として二酸化炭素を指す。そして、オフセットとは読んで字の如く、相殺(そうさい)である。つまり、二酸化炭素を相殺するコト、それをカーボンオフセットと呼称する。
次に、本質的な意味(この場合の本質とは、根拠として示せるもの)。
我が国では、所轄省庁である環境省から「カーボンオフセット指針」が公表されている(脚注参照)。要約すると、自らのCO2排出量を認識し[〇蚕] 、→ 削減努力し[∈鏝差坩] 、→ どうしても出てしまう分を他の場所で実現した削減量(吸収量)[G喀亳]によって→ 埋め合わせること[ち蟷]、とある。つまり、この一連の流れをもって、はじめてカーボンオフセットと呼べるのである。
そして最後に、性質(特性)である(語源やヒストリーから生成されたもの)。
それは、カーボンオフセットは“ボランタリー(自発的)”である、ということである。

ボランタリー市場としてのカーボンオフセット
なぜ、受動的ではなく、自発的(能動的)と云えるのか?
カーボンオフセットの誕生は、1997年英国であった。2005年に世界で初めての温暖化対策の規制スキーム(EU−ETS:EU連合 Emission Trading Scheme)が開始される以前である。また、前述した「環境省指針」にもあるように[排出権]というワード、つまり、定量化された排出量(Credit:排出権)を用いてのみ、カーボンオフセットは帰結(相殺)されるのである。このことは、排出権取引を定めた京都議定書(1997年) のうち、京都メカニズム(柔軟性制度)に依るところが大きい。つまり、“市場原理”をモチーフとした排出権取引が必然的に、カーボンオフセットには活用されているのである。整理すると、カーボンオフセットは、法規制以前に誕生した概念であって、活用しているのは市場原理に基づく排出権取引(排出権)の仕組みであることから、Voluntary Market(市場)である、といえる。

そもそも論の視点から
「定義」をあらためて明示したのには理由がある。
消費者の皆さんには、巷に溢れつつあるカーボンオフセット商品・サービスの真贋について、Check能力を身に着けていただきたいという思いと、実は、先日発表された「カーボン・オフセットの取組に対する第三者認証機関による認証基準(Ver.1.0)」(平成21年3月18日環境省公表)について、そもそも論の視点から、読者にあるバイアスを掛けておきたいと考えたからである。では、そのバイアスとは何か?!
端的に云うと「第三者認証そのものが、じつはバラドックスを包含しており、カーボンオフセットの本来意義を損なう可能性がある」ということである。
以下、その論拠を示してみよう。

本来意義からの矛盾
カーボンオフセットは、様々な場面で、定義を逸脱した様々な解釈で使われている危うい現状がある。例えば、こんな表記である―

  1. この○○は、カーボンオフセットとみなせる
  2. カーボンオフセットという概念を用いて
  3. カーボンオフセットとして相殺した

これらはすべて根拠(論証となりうる表記)に乏しく、解釈として間違っている可能性が非常に高い。そこで、浮上したのが認証(立証)するという考え方であり、認証の基準化(ガイドライン化)であった。ところが、前述したようにカーボンオフセットは、規制対応や順法ではなく、個人や企業が自ら進んで行うボランタリーな行為である。つまり、換言すると、規制や縛りが無いからこそ、カーボンオフセットであって、その本来意義からいうと、カーボンオフセットそのものを認証(ある種の規制)しようという行為は、実は矛盾を孕んでいるのである。

市場原理は、イカロスの翼
国も社会も、カーボンオフセットを普及したいという立場に変わりはない。
成果として、地球温暖化抑制につながるからだ。しかし、市場原理を活用したものに「規制」をかけることは本末転倒であり、ある種の抑止力が働く。その結果、十分に普及せず、社会に浸透しない可能性がある。だからといって市場が荒れることを野放しにはできない。では、どうすればこの命題を克服できるのか?その解(戎)は非常に難しい。なぜなら、この命題は今まさに、世界で批判を浴びている新自由主義(アメリカ型市場経済主義)において露見された問題点と同じテーマだからである。
つまり、市場の伸展性からは政策介入は回避すべきで、健全性からは規制等の必要性が叫ばれている。同様に、カーボンオフセット市場もこのパラドックスに陥りつつある。
望むべくは、適正な介入と、適切な不介入である。そのためにも、まずはマーケットサイズを拡げることを優先し、“高く飛びすぎた”場合は、適正な親心をもって諭してほしいものである。なぜなら、地球温暖化は対策(ソリューション)を急ぐことが肝要で、道理はあくまで人間社会の問題なのだから。

【参考資料】
環境省/カーボンオフセット:
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/mechanism/carbon_offset.html
IGES出版物・報告書/図解 京都メカニズム10版、要約京都議定書:
http://www.iges.or.jp/jp/cdm/report_kyoto.html
中谷巌著/資本主義はなぜ自壊したのか(集英社インターナショナル)

 




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