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環境報告書/CSR

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『足るを知る』の経済学

環境報告書/CSR ナビゲーター 海野 みづえ (うんの みづえ) {プロフィール}

2006年06月02日

「もういい加減、とどまらない消費を追求のはやめようよ」という戒めとして、個人のミクロレベルから、過剰な消費を考え直そう、というメッセージとなるが、企業はやっぱりたくさん売ることが第一だ。社員の皆さんも、会社が儲かって始めて給料があがるし…、ということなのだが、実は企業の論理としても日本での消費を伸び続けさせることはこれからは難しい。

少子高齢化が進み、消費を担う人口が減れば、国内の経済が縮小することは目に見えている。
先日報じられたセブン&アイによる西武百貨店・そごうの経営統合ニュースでは、「高度に専門化し、変化の激しい日本の消費者のニーズに応えるために…」といった文句が繰り返されている。しかし、消費スタイルはこの延長でもっと多様化し、誰もが高級品を身につけるだろうか。

稲盛和夫氏のことばが京セラのホームページに掲載されている。
足ることを知らない顧客の満足度を満たすことではなく、消費そのものを考えることがCSRマーケティングの基本だ。

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足るを知る(稲盛和夫の思想を知るためのキーワード集)

「足るを知る」という仏教の教えがある。人間の欲望にはきりがない。
だから、その欲望を満たすことを考えても意味はない。現在の姿をあるがままに受け入れ、それを素直に感謝する。「これでもう十分じゃないか」「もうこれくらいでいいではないか」と欲望の肥大化を自ら否定する。こうして「足るを知る」

なかに本当の幸福があるという教えである。私は、この教えのなかに地球環境問題を解決するためのヒントがあると思う。

我々はいつまでも豊かさを追いつづけることはできない。永久に経済的な成長を続けることは、この地球上ではできないのである。日本は世界第2位の経済大国、大変富める国になった。だから「足るを知り」、現在の豊かさに感謝し、これ以上の物質的繁栄を追い求めることはもうやめるべきではないか。そのような考え方を持つべきときがきていると思う。

私自身も1人の経済人として、環境問題を解決しながら、経済的成長を追い求めたいという気持ちはある。しかし、現在、環境の破壊も汚染もすでに限度を超えつつある。だから、私はせめて経済的な豊かさをすでに獲得している先進国の人々は、「足るを知る」という考え方をベースに経済社会のあり方を見直すべきだと思う。(『心を高める、経営を伸ばす』より)
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上記「足るを知る」という話しは、多くの方から共感の声をいただく。やはり日本人の心にしっくりくる言葉だな、とあらためて感じている。もっとも「本質的な話で、全く同感だ」といってくれる一方で、企業活動となるといやいやほど遠くて…、というご意見。私自身、そう思っていてもすべてができているわけでない。それでも気づいた視点を出来る限り共有したいと思っているので、皆さんも時々立ち止まって少しだけでも生かせるようにしていただければと思う。

●足るところまでいけない実状を知る
昨年の9月にムンバイ(インド)に行く機会があった。海外から戻るたびに「出張どうでした?」と知人に聞かれ、「○○の風景がよかったよ」「××で食べたアレがおいしかった」と話せるのだが、この時は何とも答えようがなかった。しばらく考えて、「う〜ん、…複雑だった。」

1本裏道に入れば、バラック小屋が立ち並ぶ。タクシーに乗っていても、信号で止まるたびに子供を抱いた女性が手を差し出して寄ってくる。ムンバイは雨期の降雨量が激しく、洪水も日常茶飯事。私が行った時はもう降っていなかったが、街中の舗装道路でも脇の方はブロックがかなり崩れて歩きにくかった。

私は東京に居て、常に自分の至らなさや不十分さを思っているのが、ムンバイの実状に触れて、私はなんて恵まれているのだろう、と感じた。お湯の出るホテルに泊まり、食べたい物を食べられるだけ幸せなのに、まだ自分は足りていないと思っていた。その時ふっと頭に浮かんだのが、「足るを知る」だったのだ。

この言葉は、豊かな先進国で物がありあまった状況でさらに膨れる欲を戒めるだけの意味ではないと思った。私たちには「足るところまでいっていない実状」を知り、それは何故か、そのままでいいのかを投げかける、もうひとつの重要な意味があると思う。南北問題の実態をそのまま表す言葉でもある。

「足るを知る」がサステナブルの意味合いに非常に近いということは、この側面も無視できない。自分だけが足りて消費を抑えればいいのではなく、自分以外の立場に目を向けることでもある。

●貧困の削減=潜在的な消費市場の足場
「足るを知る」を今度は企業経営論に置き換えてみたい。足るところまでいっていない実状を、自社の経営とどう関連づけるかだ。

日本に限らす、先進国はどこも消費の飽和状態だ。そこで企業が生き残るにはどうしたらいいか。…まだ足りていない国々で、いかに成果をあげるかにある。これらの国々を途上国ではなく新興国と呼び、その国の経済発展とともにこれから見込まれる消費を狙って事業をどう展開し根付かせるかである。賃金の安い生産拠点としてだけ考えるのではなく、長期的に市場参入の拠点づくりをする。
これには地域貢献活動なども含まれ、CSRは事業を主軸として戦略的に位置づけられている。

今や、現地政府だけでなく、住民や消費者などの現地での様々なステイクホルダーから信頼を得なければ、企業としてマーケットに浸透することは難しい。自立できるような経済基盤を支援しながら、その経済に少しずつ入り込むということが、企業としての狙いでもある。貧困への援助がCSRのトップに上がるヨーロッパでは、そのような企業の強かな将来の事業戦略が見え隠れする。

先進国のマーケットが縮小する中、貧困を乗り越えたその先に需要があるという見方だ。これらの地域は自然資源が豊富という地形的条件もある。これまでのように土足で入り込んで乱開発することは許されなくなり、限られた資源をこれから発展する国々の権益との間でどのように確保するか。現地のステイクホルダーへの配慮をしつつ、信頼を得ることが結局は成功の道となる。

●グローバルでサステナブルな均衡が今後の論点
これからのグローバル経済は、行き過ぎた国々とまだこれからの国々を「足る」というレベルに近づけるという均衡が論点だ。持続可能な発展については、科学者だけでなく経済学者も唱えている。これは、経済と社会、先進国と途上国、という相反する要素を統合して考えなければ将来はないという視点であり、「『足るを知る』の経済学」といえるのではないだろうか。

 




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