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環境報告書/CSR

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中国サプライヤーへのCSR

環境報告書/CSR ナビゲーター 海野 みづえ (うんの みづえ) {プロフィール}

2007年09月11日

●中国でのCSR調達への関心が広がる
「グローバルCSR調達」(日科技連出版社)を昨年秋に発行して以降、調達時におけるCSRの取組みが徐々に広がっている。主に電子業界の主要企業がグリーン調達を拡大してCSRの基準を提示している。海外、特に中国でのCSRをどうするか、いよいよ関心が高まってきた。

本を書いたものの、文献調査や企業への聞き取りが中心だったので、とにかく現場に行ってみることにした。中国の労働現場でCSRがどのように認識され、企業はそれにどう対応しているのか。大国であるうえに非常に難しいテーマなので、なかなか実像をつかめないだろうが、NGOやこの分野のビジネス・ネットワークにコンタクトして自分の目と耳で確かめることが第一歩だ。

まず深圳で活動しているICO(Institute of Contemporary Observation)の劉開明氏を訪ねた。劉氏は3月に東京にも来て講演したので、ご存知の方も多いだろう。劉氏は、中国人でありながら中国国内でNGOとして活動しているというかなり特殊な立場にあり、海外からも強い支持を得ている方だ。

劉氏はおだやかな方で、どのような場合も批判的な発言はしない。日本企業の中国での展開について、欧米企業と比べて遅れているとか欠点があるかなどと質問しても、非難めいた様子は見られなかった。しかし、日本企業にとって問題になる労働現場はサプライヤーの先の先、弱小の工場であり、リスクはそういうところにあると話してくれた。

●劣悪な労働現場の実態が次々暴露
最近、中国の労働現場の問題がよく明るみになっている。そのひとつ、煉瓦工場の搾取労働がニュースになった。煉瓦の利幅は少なく、経営者は労賃を抑えに抑える。農村部の若者を大量に動員し、なかば幽閉された労働環境で低賃金労働を強いられていたのだ。そのうえ保護された労働者の多くは火傷や負傷を負っており、危険で劣悪な作業現場の実態が報道された。

またNGOによる、北京オリンピックに関わる労働実態の改善を迫るキャンペーン「プレイフェア」も動きが活発になっている。オリンピックに関連するグッズやウェアなどを製造する下請けメーカーの労働現場の悲惨な状況をレポートして、改善を迫るというものだ。4社の実態調査が報告されている。この動きは無視できなくなりつつあり、中国政府も改善に動きだしている。

ところで劉氏を訪問した際、偶然にも朝日新聞社の方々と入れ違った。こういうところで日本からの取材なんて、やはり劉氏は有名なんだなと思っていたところ、よく見るとその中の一人が編集委員の山田さんではないか。10年前に関わっていた研究会で一緒だったのだが、こんなところで再会してお互いびっくり!
東京に帰ってお会いして、CSRと中国の労働環境のつながりをよく話しておいた。「CSRについてグローバルな視点が欠けていたと気付き、見方が変わった。」と理解していただくことができ、これが後日の解説記事につながった。
 「下請けの労働環境も重視」 朝日新聞 2007年7月8日
  http://www.sotech.co.jp/keisai_ind.html

●監査から能力向上へ
「グローバルCSR調達」の最後でも書いているように、先行している欧米企業の最近のCSRサプライチェーンマネジメントのポイントは、監査から能力向上[Capacity building](=サプライヤーとの連携による実質的な改善)にある。
特にNGOは監査に批判的だ。香港のNGOは、「企業は、行動規範を制定し監査を実施しているというが、それはその会社が形式的に『CSRに取り組んでいる』ということを示す免罪符でしかない。」といった論調で厳しかった。審査機関は企業からの依頼があれば監査するが、現場に改善をもたらそうとか、企業が社会から信頼を得られるようにしようとかいった視点はないということのようだ。企業側も、内部監査はともかく、第三者監査はNGOや取引先からの要請がある場合に行っているにすぎないという。

香港でCSRのネットワークを展開しているCSR Asiaのウェルフォード氏も、監査の無意味さを説く。彼は香港大学でも教えているが、「中国の中小サプライヤーの現場では、有害な作業環境の中で多くの労働者が働かされている。こんな実態を、一体誰が改善するというのだ?」と語気を荒立てた。同社では欧米企業に実質的な能力向上プログラムを実践しており、ヒューレットパッカード社の中国でのステークホルダー・ダイアログも展開しているという。

日本企業の間で始まったCSR調達が、また形だけの構築、監査にならないようにと願う。そもそも日本の主要自動車メーカーは、技術者の派遣や生産性向上の指導などにより、サプライヤーの育成に力を入れてきた。サプライヤーとの協働の実績は、多くの日本企業の強みであり、こうした運命共同体としての努力が「能力向上」として今再認識されているのだ。

これからは、日本企業同士のサプライヤー協働だけでなく、その向こうの中国のサプライヤーについても支援していくことが求められている。持続可能な生産プロセスを実現するには、このような日本企業が長年培ってきた共存共栄のアプローチを末端のサプライ・チェーンマネジメントにも適用するということだ。

 




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