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環境報告書/CSR

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CSR報告の変化

環境報告書/CSR ナビゲーター 海野 みづえ (うんの みづえ) {プロフィール}

2007年12月25日

● マテリアリティの特定を取り込み始める
今年のCSR報告書も大方出揃ったので、主要なトレンドをまとめてみた。
「CSR報告書の最近のトレンド 掲載情報の特定とウェブの効果的な活用」
アイソス 2007年12月号  http://www.sotech.co.jp/keisai_ind.html

私はここで、3つのポイントをあげた。
1) 重点課題の特定
2) ウェブサイトでの情報開示の充実
3) ネガティブ情報の開示姿勢
読む立場によって掴みどころも違ってくるだろうから、これが絶対的なものではないが、1)、2)は今年のCSR報告書の特徴的なところだと思っている。

1)はこれまでも何度も取り上げているマテリアリティの視点に立った、掲載情報の優位付けだ。アイソスでは東芝とNECの事例をあげてみたが、このほかにも松下電器、富士フィルムがマテリアリティの視点を取り入れ始めている。これはやはりG3(※)のアプローチを受けて、網羅的に行っていた情報掲載を、できるだけ内容を選別した形にしようという動きの表れだろう。今のところ、どの例をみても判断基準の具体的なところは分からないが、これから充実していくことだろう。

この課題の優先順位つけについて、お気づきのように私は重要性とは言わずにあえてカタカナの「マテリアリティ」と言っている。「重要性」と日本語にしてしまった途端に、英語のMaterialityの持つ意味が消えてしまうからだ。これは全般的なImportantとは違う。会計原則であるMaterialityには、「財務諸表に基づく経済的意思決定に影響を及ぼす」という特別の意味がある。日本語への翻訳の際に言葉が持つ要点や背景を一緒に導入しないと、その後国内の解釈でかなり変わったものになってしまうことはよくある。

財務報告の利用者は投資家であり、関心が経済・財務面にあることに対し、CSR報告の読者はその他のステークホルダーが大半であり、社会的な活動が関心事だ。そこでG3でいうマテリアリティでは、ステークホルダーにとって重要なトピック、という形に置き替えている。

● これからは何がマテリアルかが重点に
さて、マテリアリティのコンセプトは広がったものの、一体何がマテリアルなのか、どの程度だったらマテリアルといえるのかは、一律に決められない。これは結局、各社の役員、社員がビジネスのなかで何にどう対応しているかによる。

私の講演を聞きに来る方たちは、アプローチの具体的な方法を解説してくれることを期待しているようだ。だが私の説明は、CSR課題を把握し、現行の事業活動で何が足りなくてどこに向かってやっていけばいいのかを自らで発見していくステップが中心だ。チェック方式で自動的に解答がでるものではないから、これだけ聞くとちょっとがっかりするらしい。しかし講演のような場で全業種向けに広く話すには、これ以上は無理なのだ。

個別の企業に限ってみれば、その会社の事業特性などを聞いていくうちにマテリアリティは大体特定できる。そして具体的に事業でどう展開したらいいか、などを社員に納得してもらう(ように努力する)。そのプロセスをCSR分析シートなどで「見える化」していく。分析していくうちに洗い出されるというよりも、社会が関心を持ち事業に影響するCSR課題は、事業戦略の中で既にかなり明らかになっているのだ。したがって、全業種共通の一般的項目よりも、業種に特有の課題に重点がを置き、マテリアリティを絞り込んでいくことが、戦略的CSRの展開につながるのだ。

●報告の方針・内容と想定する読者にギャップ・・・
ところで先日、サステナビリティリポーティングのセミナーで、マテリアリティと戦略的CSRに重点を置いた話をした。今回はこちらから話すだけでなく、80人くらいの参加者にYes/Noの回答をお願いする試みをしてみたので、参加者の皆さんとコミュニケーションできたことがおもしろかった。

その中の質問の回答中に「おやおや」と思うものがあった。「報告書に書いている方針・内容が、想定する読者(の関心)と一致していますか?」という質問に対し、手を上げたほとんどの方がNoだったのだ。先進的なところでは、CSR報告を始めてから、もう3〜4年経っているが、まだ「こう書けば大丈夫、」と発行する担当者も納得できるものになっていないようだ。これは、報告書が会社の伝えたいこと、読者の知りたいことを目的に作成されているのではなく、ガイドラインや外部評価の様式に対応する情報掲載誌にとどまっているということだろう。

確かにまず環境・社会情報の開示を促進するには、何かしらの枠組みがあることが有効だった。そのことが作成側にとっても、都合よかった。しかし、GRIも指標に沿って情報開示するガイドラインから、「活動内容」の本当の姿を映し出す、いわば「手引書」の整備に活動の主眼が移っている。

企業もこれからは、CSR報告書だけでなく、アニュアル・レポートや会社説明冊子、ディスクロージャー誌など、各種の報告冊子との連動なども踏まえた上で、企業の実情が反映される報告にしていくことが必要だろう。

(※)G3とは
サステナビリティ報告の枠組みであるGRI(Global Reporting Initiative)ガイドラインの第3版。2006年11月に改訂され、報告に掲載する指標項目だけでなく、どのように報告内容を決めていくかのプロセスを新たに加えたところが特徴。

 




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