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人を活かす企業−ダイバーシティ経営

環境報告書/CSR ナビゲーター 海野 みづえ (うんの みづえ) {プロフィール}

2008年05月21日

●先進企業を表彰して引っ張り上げる
東洋経済新報社が「人を活かす企業−ダイバーシティ経営大賞」を創設、その第1回の大賞に日産自動車、優良賞にソニーが選ばれた。授賞式を兼ねたシンポジウムが3月に行われたが、私は審査員としてこの賞に関わっていた。

経営の「ダイバーシティ(多様性)」とは簡単に言えば個の尊重であり、競争力のある企業をつくる源泉のひとつだ。上記の賞も今回は女性の登用という点が主要な評価ポイントであったが、今後継続していくなかでは、障害者雇用や国際化など、評価項目を様々な観点に広げ、ダイバーシティ経営大賞の名にふさわしい内容にしていければと考えている。

大賞の日産自動車は、ゴーン社長の強い意思で2004年に「ダイバーシティ・ディベロップメントオフィス」を設置した。女性の登用など、ダイバーシティの向上、確保に取り組むほとんどの企業がその事務局を人事部においているなか、日産では職務機能横断の横串型組織を編成し、独立したかたちで進めている。ダイバーシティを経営の主要課題と位置づけ、トップが引っ張っていく重要性を意識しており、表彰式には志賀COOが参加してあいさつを述べられていた。

優良賞のソニーは、早くからグローバル企業としての認識が高く、女性を意識するというよりも、国際的な人材育成を主眼にしてダイバーシティ開発部を設置している。経営そのものがダイバーシティが高いので長くこの課題を取り込んでおり、女性の登用についても改めて言及することもなく、人事のやることのなかに当たり前に組み込まれているということだ。

今回の賞には多くの企業が応募してきたが、よくダイバーシティの向上、確保に取り組んでいながら応募してこない会社もあった。理由を聞くと、取り組み始めているもののまだとても成果が出ておらずとても外部に公表できるところまでいっていない、ということだった。確かに人材の育成には時間がかかる。対策をはじめて2〜3年でようやく少し実績が出てくるくらいで、この方たちが最前線で専門的に活躍するとなると、5年以上かかることだろう。
この賞はそのような実績を評価するよりも、まずは会社のトップがダイバーシティにコミットしているか、どのような施策を始めているかなど、会社としての取り組みの積極さに重点を置いている。できていることの評価よりも、取り組み始めている企業を引っ張りあげて、いい事例を少しでも増やし、「うちもやらないといかんな」と他社に伝播していくことが目的だ。

●数値化できないものは管理できない
シンポジウムの特別講演は、内永ゆか子さんだった。内永さんはIBMの専務として女性社員の育成にも随分と関わってこられた。その経験から、女性の活躍の機会をもっと広げるためにNPO法人J-Winを昨年立ち上げ、現在理事長を務めておられる。

内永さんは女性の登用についても、数値目標は必要だと力説された。数値化できないものは管理、マネジメントできないというのだ。世の中では、「管理職の女性比率○%」といった数値目標を立てることに否定的な意見も多い。内容や育成よりも、とりあえず管理職にさせてしまえばいいか、という風潮がはびこるからだ。男性中心の職場にポンと女性の課長を誕生させても、周りのサポートがなければ孤立して非常にやりづらくなる。結果、彼女らの多くはやめてしまうというのだ。女性の登用は男女雇用均等法がスタートした時に、とりあえず数合わせで・・・、ということから始まった経緯がある。この反省から、数値目標よりも実質的に何をやるか、そちらが重要という考え方が多いことは納得できる。

一方IBMでは女性管理職比率を上げるという全世界の方針があり、比率の低い国では積極的な対策をとる必要に迫られる。日本は世界でかなり低い方だったため、その役割を内永さんが担ってきたところが大きい。その経験が数値目標の必要性を説いているのだ。IBMではダイバーシティを高めることが経営の強みにつながることを実証してきているので、目標値とともに様々な策があることはいうまでもない。本当に女性が働ける環境をどうつくるか、である。

またJ-Winは、女性同士がネットワークを形成し、互いに学べる場が必要と考え始めたのだそうだ。やる気のある女性は大勢いるが、個人で頑張ってもやはり会社という組織が理解してくれなければ行き詰る。そこでJ-Winは企業単位での参加を基本とし、会社として本気で取り組むこと、企業のバックアップを前提としたプログラムを展開しているという。会員間でワーキンググループを発足させ、小グループで進める一方で、合宿を行って飲みながら交流を深めるといったメンバーの自発的な活動が活発化しているという。

●「粘土層」の打破が必要?
後半のパネルディスカッションは、受賞の2企業に加え、ダイバーシティ向上の推進にかかわる審査員2人を加えた活発な議論だった。そもそもこのシンポジウム、女性の参加者が多く、いつもと随分違った活気を感じた。東洋経済のビルで女性が大半を占める会合というのは、おそらく初めてなのではないだろうか。

ここで私は「粘土層」という面白い言葉を知った。会社のなかで、「固くて染み込まない」人たちのことなのだそうだ。現場の社員たちが様々な提案をしても、この粘土層に阻まれて実際に進まない、理解してもらえないというのだ。これまでの男中心の組織によるやり方が浮かび上がってくるが、今までの中心勢力が抵抗勢力になっている、そんな方々の塊が粘土層であり、ダイバーシティ向上の推進を妨げている。これを読んでいるアナタ、粘土層になっていませんか?

これからの企業経営に問われるのは、今まで考えなくて良かった異質の者たちをどう受け入れ、同じレベルでやっていくかだ。今回のパネリストからは、個を認め育てていくことについてポジティブな意見が多く聞かれ、エネルギーが感じられた。多様な価値観を受け入れなければ、もう会社はやっていけないところまで来ている。

 




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