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環境経営(流通・物流業)

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物流システムを利用して新規リサイクル事業 (環境プランニング学会東海フォーラムとの協働)

環境経営(流通・物流業) ナビゲーター 河野 容久 (こうの たかひさ) {プロフィール}

2008年01月07日

河野 容久、玉木育男

(環境プランニング学会学会誌よりの記事)
家庭から出るゴミをめぐるリサイクルは、それぞれの自治体によって差はあるものの、分別・再生利用という一連の流れがほぼ定着してきた。しかし、企業などが排出する産業廃棄物に関しては、リサイクル効率が上っているとは言い難い。
 その一因として、中小企業など小規模事業所から出る少量の産業廃棄物を回収し、リサイクルに回すしくみが整備されていないことがあげられる。
 ロットの少ない産廃ゴミを回収、リサイクルするのは利益率も低く、手がける業者も多いとはいえないのだ。
 それに対応する手だてとして注目を集めているのが、環境プランニング学会・東海フォーラムとの協働で二〇〇六年一二月から愛知運送株式会社が推進している、物流システムを利用した産廃物リサイクル事業だ。
 事業のしくみは、建設現場へ資材を届けるトラックの復路(静脈便)に、現場で出た廃プラスチックを積み、それに圧縮などの処理を加えた後、再生工場に運ぶというもの。  東海フォーラムに集う環境プランナーのネットワークから生まれたという当事業は、スタートから一年、着実に成果を上げている。そのしくみと反響を聞いてみよう。


“静脈便"のトラックで廃プラスチックを回収

愛知運送株式会社の企画室長、玉木育男さんが「環境プランナー講座」を受講したのは二〇〇五年のことだった。 「それをきっかけにして、多くの環境プランナーにお会いしたのが当事業のスタートです。日々の仕事のなかで環境配慮するしくみとして、当社が考えていたアイデアに賛同していただき、事業化を勧めていただいたのです」
 東海地方を中心に事業を展開していた愛知運送は、もともと三州瓦の製造メーカーの物流子会社。長く自社製品の運送だけをおこなっていたが、数年前から、瓦だけでなく他社の建築資材を共同配送する会社に業態を変えていった。建築資材を大型車に積んで配送センターへ、そこから小さなトラックに小分けして現場に配送する。地元の中小運送会社と提携し、自社配送を思いきって減らすシステムによって、リサイクル事業のスタート当時は、共同配送会社として全国にネットワークを拡げていた。
 瓦や建築資材は、トラックで運ぶとき、「パレット」と呼ばれる木製木枠に載せられる。パレットは静脈便にてメーカーへ返却される。玉木さんは、このパレット回収時に梱包資材からで出た廃プラスチックを持ち帰ることを構想した。
「なぜリサイクルが進まないかといえば、少量の廃棄物を回収するのは業者にとって物流コストがかかりすぎ、採算が合わないからです。幸い、私のところでは、日々現場に向かうトラックがある。このしくみを利用することにしたんです」
 プラスチック製の梱包資材であるPPバンドとストレッチフィルムは瓦を結束し、梱包するのに使用した後は、産業廃棄物として捨てられていた。ちなみに、瓦の梱包に使用してプラスチック廃棄物となる量を、日本の年間住宅着工数から試算してみると、PPバンドは年間約七〇〇トン、ストレッチフィルムで約三〇〇トンに上る。年間、約一〇〇〇トン近くが、ほとんどリサイクルに活用されず、埋め立てなどの手段で処理されていたのだ。
 そこで玉木さんらは、各工事店で廃プラスチックを溜めてもらうリサイクルバッグを企画した。このバッグでは、PPバンドが約五〇キログラム、ストレッチフィルムが約八〇キログラム回収できる。
 回収した廃プラスチックは、デポに持ち帰り、圧縮機にかけて圧縮する。その後、固まりになったものをリサイクル業者に運ぶ。この圧縮する過程が、リサイクルへの流れをスムーズにするポイントだ、という。  平均的な住宅を一棟建てると、廃プラスチックの量は約三.五kg。一ヵ月に二〇棟の建築工事をしても、廃プラスチックはリサイクルバッグ一袋程度しか溜まらない。この量の少なさが、リサイクル業者が回収するときのネックとなっていたが、玉木さんらは、現場と直結する物流の足でクリアしたのだ。
 リサイクル業者の下で、廃棄物はプラスチック製品の原料であるペレットに再生される。そのリサイクルを担当する業者もまた、環境プランナーの一人だという。
「東海フォーラムのネットワークから構築された事業モデルです。事業の企画から運営まで、志を同じにする仲間達と活動できるのはうれしいですね」


モットーは「できることから」

 現在、玉木さんの会社に廃プラスチックの回収を依頼している会社は、製造メーカー、建設会社、工務店、設備会社などをはじめ約一〇〇社。東海地方を中心に展開していた事業は、茨城県など、関東圏にもエリアを広げている。一度サービスを依頼した会社は、その後も継続して利用する傾向にあるという。
 産廃物の回収コストは、リサイクルバッグ二個分で通常一・二〜一・六万円かかる。当リサイクル事業では、それを数分の一にコストダウンでき、その点も利用者にとっては魅力だ。
「コスト面での満足はもちろんあると思いますが、一方で中小企業の経営者や現場の職人さんの、『自分も環境に配慮したい』という気持ちを強く感じます。大企業は環境に意識的になっていますが、中小の仕事の現場ではそう意識されてこなかった。分別やリサイクルを徹底することで、初めは面倒くさがっていた職人さん達も、『俺たちも環境に関わっている』と感じるようになり、喜びの声が聞かれるようになりました」
 玉木さんは、取引会社に、東海フォーラムで考案・製作した「得意先リサイクルカルテ」を書いてもらっている。これは、業務で出る「廃プラ品目」「排出量」などの項目をはじめ、「社内でムリ・ムダ・ムラと感じるもの」「環境ビジネスに対する支援要望」など、顧客の環境への意識、要望までを記すものだ。全国から集まったカルテはデータベース化され、今後の事業展開に活かしていくという。「ここが困る」という顧客の声をいち早く吸収し、新しい取り組みに反映させるためだ。
「そもそも、この事業は、儲けを考えて始めたものではありません。日々の仕事のなかで、自分達にできることから始めよう、という気持ちでスタートしたものです。環境問題では、物流がネックとなってできなかったことが多数あります。自分たちにはそれを扱っている強みがあるので、これからもさまざまなしくみを考えて、提案していきたいですね」


プロフィール:愛知運送 株式会社 企画室長 玉木育男
愛知運送株式会社 企画室長。環境プランニング学会 東海フォーラム 委員長。環境プランナー。環境マスター。『できることから行う』という理念の下、動脈物流と静脈物流を融合した物流システム企画を中心に、地域に根ざした環境配慮制度と仕組み(地域資源循環モデル)の構築を手がける。

 




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