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環境経営(製造業) ナビゲーター 恒藤 克彦(つねふじ かつひこ) {プロフィール}
2006年06月02日
いろいろな場面で「環境に優しい製品」という言葉に出会います。このコーナーもサブタイトルが「環境に優しい製品づくりとマーケッティング」となっています。ご存じのように「環境に優しい」という言葉は「緑をまもる」、「天然素材」、「無公害」などと同様、大変あいまいな言葉です。何がどのように環境に優しいのか分からないのに、「優しい」という言葉の響きが良いことから、これからも多く使われることでしょう。しかし、企業が自社の製品を「環境に優しい製品」といって安易に告知することは問題だと思います。
「環境に優しい製品」と言ったからといって、そんなに差別化できる訳ではありません。コンシューマーの環境に対する意識が高くなってきているものの、環境に配慮した分のコストはなかなか受け入れてもらえません。少しくらい高くても、環境配慮型商品を購入してくれるグリーンコンシューマーはまだまだ少数派です。これまで通り高機能で安価な商品が売れ筋なのです。ですからメーカーも機能競争とコスト競争を続けざるを得なくなります。
しかし、我々は持続可能な社会を構築していくために、グリーンコンシューマーを増やし、これからの商品開発に機能競争、コスト競争に加えて、環境ファクターが大きな差別化になるような社会を作っていかなければなりません。多くの人にグリーンコンシューマーになってもらうには、メーカーは商品について多くの事を語る必要があります。どんな資源を使っているのか、製造や使用時に大きなエネルギーを使っていないか、公正・公平に作られているか、安すぎないか、故障したらどうなるか、廃棄するときはどうするか、安全か、などです。これらの情報を理解してもらい、商品に対する信頼を得ることで、初めて環境配慮のコストを負担してくれるグリーンコンシューマーを育てることができると考えます。また、メーカーは、グリーンコンシューマーが育ってくると、洗練された環境配慮型商品を数多くそろえなければ、コンシューマーの満足は得られません。さらに、どこが、どういう点で、どのように環境配慮されているかかが明確でなければ、選択対象からはずされてしまいます。単に「環境に優しい」だけではだめなのです。
このようなことから「環境ラベル」が提案されています。「環境ラベル」は「環境にやさしい暮らし」を願う人たちが、商品を選択しやすくなることを目的として設定されています。代表的なものに(財)日本環境協会のエコマークがあります。また、製品の全ライフサイクルステージにわたる環境負荷をLCA(ライフサイクルアセスメント)による定量的な環境情報を開示する(社)産業環境管理協会の「エコリーフ」があります。
※画像イメージ…エコマーク
これらの「環境ラベル」について、 ISO14020「環境ラベル及び宣言」で、「環境ラベル及び宣言は正確で、検証が可能で、関連性があり、誤解を与えないものでなければならない」とあります。また、自社の製品対して環境配慮を自己主張するときは、ISO14021が12の環境改善項目に対して事象を例示しています。かなりレベルの高い要求となっています。これらの要求を本当にクリアしているかどうか厳しい自主判断が求められます。
※画像イメージ…エコリーフマーク
また、コンシューマーに対する情報提供に対して、(社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会が「消費者が望む環境ラベル10原則」を発表しています。
このような環境配慮事項の正しい情報伝達によるグリーンコンシューマーの育成と、魅力ある環境配慮型商品の創出が、いま、製造業の環境経営として期待されていることです。
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