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キッズISO14000プログラム

環境経営(製造業) ナビゲーター 恒藤 克彦(つねふじ かつひこ) {プロフィール}

2008年02月08日

 2008年1月11日の日本経済新聞に「ISO認証審査が厳しくなる」という記事が載っていました。ISO9001やISO14001の認証を取得している大企業に賞味期限の捏造や、環境データの改ざんなどが多発していることから、認証の信頼性を高めるため審査方法を見直すそうです。

 もともとISOの認証はマネジメントシステムという「仕組み」が正しく構築・運用されていることを認証しているのであって、「仕組み」の中で正しいことが行われていることを認証しているわけではありません。この本質的なところをあまり知らない一般の人は、「ISO9001の認証を得ているから品質が良い会社」、「ISO14001の認証をとっているから環境に良いことをしている会社」と思ってしまいます。ところが、先に述べたようにデータの捏造や改ざんが多発して、ISOの看板が権威を失墜しそうになった。そこで認証審査を厳しくしようということのようです。

 だけどよく考えてみると、「仕組み」という入れ物しか認証していないので、入れ物の中身が悪いからといって認証を取り消すことはできない。審査を厳しくするということは、中身の審査をするということなのでしょうか。そうであれば、これまでの認証のあり方が大きく変わることになりますが、審査を厳しくするため、「2日でおこなっていた審査を3日かけてやりますから、審査費用も高くなります」ということだけにはならないようにお願いしたいものです。

 こどもの世界にもISOがあります。「キッズISO14000プログラム」という小学生や中学生に向けた環境教育プログラムです。夏休みや冬休みの課題として実施する学校が多くなっています。入門編、初級編、中級編と上級編があります。入門編では、こども達はまず1週間、自分の家の環境データとして電力、ガス、水道の使用量とゴミの排出量を毎日計測します。7日間おなじ時間に、電力、ガス、水道のメータの目盛りを読みます。メータはこどもには読みにくいところに有ることもしばしばです。また、毎日続けることがいやになって途中で挫折しそうになるこどもも出てきます。ゴミは袋ごとに重さを量ります。そうしてワークブックに1週間の環境データが記録できたら、消費量の多い日や少ない日などが分かってきます。そしてどのようにすればこの消費量を減らすことができるか考えます。ワークブックのヒントも参考にしながら、自分で作戦を考え、それもワークブックに記入します。

 作戦には、テレビを見ないときはコンセントを抜いて待機電力を削減する、歯を磨くときに水道を出しっぱなしにしない、風呂は家族で続けて入ってシャワーは短くする、など家族の協力を必要とする作戦も多くあります。生ゴミを減らすために、好き嫌いを言わないでご飯を残さないと決意するこどももいます。プリントの裏で漢字の勉強をしますという、紙を節約するこどももいます。

 そしてもう1週間、この作戦を実施し作戦後の環境データを計測します。作戦前の1週間と作戦後の1週間を比較してみて作戦後の数値が減っていればみごと作戦成功となりますが、なかなかそうはいきません。後の週の方が暑くてエアコンを多く使ったり、大掃除をしてゴミがたくさん出たとか、お父さんの協力が弱かったと不満を述べるこどももいたりします。とにかくこの2週間をがんばることで、こども達はそれなりに色々なことを考え、感じていきます。最後に「作戦を終えてみて」のページに作戦を通してできたこと、できなかったこと、感じたことをまとめます。

 まとめには、思ったように削減できなかったこと、やっているうちに面白くなってこれからも続けたい、家族に協力してもらうことの大変さや、家族と一緒に考えたことでうまくいったこと、地球を良くするために何をすれば良いかわかった、など色々な発見と気づきが書かれています。また、保護者からのメッセージにはこどもが一人で一生懸命やっていることに驚いたり、子供の真剣さに親自身が教えられたといったコメントもあって、家族の会話が弾んだり、家族ぐるみで取り組んだ様子もよくわかります。

 そして、エコキッズインストラクターが一人ひとりのワークブックを採点評価し、評価表とコメントを付けて、返却します。これがキッズISO14000の入門編プログラムです。このプログラムは「ISO」という名前が付いているように、ISO事務局に公認されたプログラムです。ISOの標準以外に「ISO」という名前の使用を許されているのは、このプログラムだけだそうです。

 国連にも認められて、「国連持続可能な開発のための教育の10年計画」のひとつになっています。また、こども達がこの作戦で削減した電力やガスはCO2の量に換算されて削減量として国連に認証されています。

 さて、このプログラムにISO14001の名称が使われている理由はもうお分かりでしょう。まず1週間、環境データをとる、作戦を立てる、その作戦を実践する。そして結果をみて作戦を振り返る。そうです。現状を把握して、PDCAを回しているのです。ISO14001の仕組みをこどもが一人で実践するプログラムなのです。だから、ISO事務局から「ISO」の冠を頂けたのです。

 こどもは毎日環境データを見ながら真剣に削減に取り組みます。そして色々なことに気づいていきます。このプログラムは、小学校5、6年生に良いプログラムといわれています。それは、この年頃に自我が形成される時期だからそうです。自分で周りを見てみて自分で取り組むべき課題を発見し(現状分析)、どう取り組むべきかを計画し(P)、やってみる(D)、そして結果を評価し(C)、今後どうするかを考える(A)ことによって自我の形成を支えるプログラムです。自分のことは自分でする、すなわち「自立」の第一歩となるプログラムです。

 本当はPDCAを体験することが「自立教育」の目的でしたので、電力やガスでなくても良かったのですが、身近な環境データで取組むことで地球についても考えることができます。2008年1月12日、東京青山にある国際連合大学ウタント国際会議場で、第7回国際認定証授与式が行われ、初級編を終了した947名の児童生徒一人ひとりに国際認定証がオスターワルダー国連大学学長により授与されました。初級編は2ヶ月継続的に取り組むプログラムで、入門編の2週間よりも強い意志が求められます。

 大人のISOが怪しくなっていますが、こどものISOは本物です。こんな自立したこどもが早く大人になって、持続可能な社会をつくる政治家になってほしいものです。

 




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