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古紙偽装問題

環境経営(製造業) ナビゲーター 恒藤 克彦(つねふじ かつひこ) {プロフィール}

2008年06月09日

 2008年1月、年賀はがきの古紙パルプ配合率不足の報道に端を発し、はがき以外の幅広い製品でも偽装が常態化していたことを大手製紙会社が認めた。製紙業界では以前(2007年7月以降)にも大手メーカーの工場において、大気汚染防止法に基づくばい煙発生施設の排出基準超過(13社20工場)や自主検査記録の改ざん(5社9工場)等が相次いで明らかになったことがあった。当時も製紙業界のコンプライアンス意識の欠如が指摘され、各社とも法令順守の徹底と不祥事の再発防止に向けた取組を全社あげて進める旨表明していた。それにもかかわらず、今回、配合率の偽装を認めた17社では、偽装が堂々と続けられていたことになる。
古紙配合率が偽装された用紙類は「グリーン購入法」の「特定調達品目」にあたり、国の機関や環境配慮型製品を優先的に購入してきた消費者を裏切る行為であった。環境省はこの事態を受けて「特定調達品目検討会(座長:山本良一 東京大学生産技術研究所教授 環境プランニング学会会長)」を開催し、古紙偽装実態及びその原因把握を行った上で、グリーン購入制度の問題点、再生紙表示のあり方及び検証方法などについて議論を行い、「古紙偽装問題に係る特定調達品目検討会とりまとめ(案)」を2008年5月15日に発表した。http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=9700
この「とりまとめ(案)」の要旨を抜粋すると、「偽装の原因・根拠」は次のように記述されている。『11社が「品質」をあげた。「品質を優先した」「(ユーザーの)品質要求が高くなった」などの回答が多く、品質の具体的内容については、「白色度」「強度」「夾雑物」「蛍光剤」「紙粉」「色相」などがあげられている。また、古紙パルプの入手困難、購入古紙の品質悪化など、原料の問題をあげたメーカーも10社となっている。また、「他社ができているのに、自社ができないといえなかった」「販売面でのハンデを負わないため」との商機を失いたくないとする理由をそれぞれ4社の計8社があげている。このほか、品質面や技術面の問題でなく「コンプライアンス意識の欠如」が8社、「管理体制の不備」が7社など、そもそもの各社の組織や体質の問題があげられている。』
また「古紙の偽装に至った背景になっているコンプライアンス意識の欠如」に対して『最も由々しき事態は、そもそも製紙メーカーは、古紙パルプ配合率を品質とは認識していなかったことである。「古紙パルプ配合率が順守すべき品質であるとの認識が低かった」と回答したメーカーがあり、また、謝罪会見における「グリーン購入法の基準は努力目標」という発言にもみられるとおり、グリーン購入法の立法の主旨が、判断の基準等の検討段階から今般の偽装発覚に至るまで、製紙業界においては理解されず、「売るからつくる」「売れさえすればよい」としか受け止められていなかったと考えざるを得ない』と明確に指摘している。昨年の大気汚染防止法に係る不祥事の反省とはいったいなんだったのだろうか。
今回の古紙偽装問題は、事業者の自主的宣言に基づいて特定調達品等であると判断してきたグリーン購入法の根幹を揺るがす大きな問題と認識する必要がある。グリーン購入制度は製造事業者、流通事業者、消費者を含めた各主体の相互の信頼関係に基づいて適切に運用されているが、今回の偽装のように広範かつ意図的な偽装が生じた場合には十分信頼性を担保できないことを露呈した。グリーン購入制度の執行体制について、制度面もしくは運用面で、何らかの検討・改善が必要であるとされている。しかし、企業にとって「コンプライアンスとは何か」の問い直しが先のであろう。
「コンプライアンスという言葉は法令順守と訳されているが、本来の意味は社会の期待に応えること。法律さえ守ればいいのではない」と指摘する大手商社の経営者もいる。法令順守と言われれば、法務部の仕事と考えるかもしれないが、社会の期待に応えることと言われれば、社員一人ひとりの仕事になる。グリーン購入制度の執行体制や運用面にチェックや検証を持ち込んで大きな行政コストをかけることなく、相互の信頼関係を高めるためのアカウンタビリティ(説明責任/説明することが当たり前)とトランスパーレンシー(透明性)を向上させる企業の動きを期待したい。

 




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