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二酸化炭素排出量「2050年50%削減」

環境経営(製造業) ナビゲーター 恒藤 克彦(つねふじ かつひこ) {プロフィール}

2009年01月15日

 第14回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP14)が昨年12月、ポーランド西部のポズナニで開催されたが、「ポスト京都議定書」の具体的な成果を得られぬまま13日に閉幕となった。

 COP14の論議はなかなか噛み合わなかったようだ。先進国は洞爺湖サミットで合意した「2050年50%削減」の長期目標の共有について賛成していたものの、中国、インドなど新興国は「先進国がまず中期目標を決めるべきだ」と主張し、南太平洋のツバルは「2050年には世界の排出量を85%減らす必要がある」と、先進国だけでなく中国、インドなどにも削減を強く求めるなど、新興国と途上国の間の溝も目立ったという。

 ここで議論されている二酸化炭素の削減率は、1997年COP3の「京都議定書」で合意された数字に比べてとても大きな値となっている。一例をあげれば日本は京都議定書で削減率6%(この数字でさえ達成できそうにない)を課せられたが、2008年6月の「福田ビジョン」では60〜80%削減が提案されている。なぜ10年間でこれほど削減目標値が大きくなったのであろうか。おおざっぱに言えば、世界の二酸化炭素排出量と自然の吸収量が解ってきて、大気中の二酸化炭素濃度の上昇が計算できるようになり、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が第4次評価報告書によって、二酸化炭素濃度と気温上昇の予測シナリオを報告したからである。

 それによると、わたしたち人類が石油や石炭などの化石燃料の使用や森林破壊で大気に排出している二酸化炭素は72億炭素トン/年であるが、海や森林などの自然の吸収量は31億炭素トン/年である。従って、毎年半分以上の41億炭素トンが大気中に増えていることになる。地球全体の大気の量は解っているので、計算すればこれは年に約2ppmの増加になり、50年で100ppm増加する。現在の濃度はすでに約380ppmなので50年後に480ppmになることになる。

 一方、IPCC第4次評価報告書では、445〜490ppmで地球の平均気温は2.0〜2.4℃上昇、490〜535ppmで2.4〜2.8℃上昇すると予測されている。地球温暖化による決定的ダメージを回避するため、2℃程度の上昇に抑えようとすると、なんとしても500ppm以下に抑えなければならい。今のままだと50年後にそのレベルに達してしまう。それ以降の濃度上昇は許されないので、自然の吸収量以下の排出量にしなければならない。だから50%〜60%削減の目標値が提案されているわけだ。

 もし、自然界の炭素循環のモデルとIPCCの予測が正しければ(正しいと思うが)洞爺湖サミットで合意した「2050年50%削減」は、議論の余地のない世界の目標値となるであろう。ちなみに、米国はオバマ次期大統領が2020年に1990年の水準まで(2006年時点で14.4%増加している)抑制する中期目標を示している。2050年までにさらに80%削減することを目標とする考えも表明している。

 あまり実りのなかったCOP14の議長総括では、京都議定書の期限が切れる2013年以降の温暖化対策の枠組みづくりについて「先進国は(温室効果ガス排出削減の)中期目標設定などでリーダシップを示さなければならない」とした。また中期目標については、世界の温室効果ガス排出を今後10〜15年で減少に転じさせる必要性を明記したが、結論を先送りし、「先進国は2020年に1990年比で25〜40%削減の必要性を認識する」との表現にとどまった。一方、欧州連合(EU)の加盟27ケ国は12月12日にブリュッセルで開催した首脳会議で「2020年までに1990年比で20%削減する数値目標を盛り込んだ包括的な温暖化対策」を合意した。

 それにしても「2050年50%削減」はとても大きな目標値である。数値目標値の議論も結構だが、50%削減を提案する人々から、どんな社会の変化を想定しているかが伝わってこない。目標値を掲げるだけで実行が伴わなければ、温暖化は防止できない。ポスト京都の交渉期限である2009年12月のCOP15(コペンハーゲン)では、削減目標とともに目標を達成するための新しいあり方を提言し、その実現に対する課題を世界が共有することを期待したい。

 




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