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持続可能なまちづくり

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東京の骨格をつくった人 〜後藤新平が問いかけるもの〜

持続可能なまちづくり ナビゲーター 中村 元則 (なかむら もとのり) {プロフィール}

2007年05月30日

古地図を見て決めた!?・・・ 東京滞在時の拠点としてマンションを求めようとしたとき、ひとつの環境情報として江戸期の古地図を参考にした。近い将来いつかは来るであろう第二の関東大震災に備え、地盤の強固な場所を求めたかったのだ。
 ふるさと福井の住宅は、かつての水田を埋立てた地盤に建っている。東京のマンションは、少なくとも地盤だけは強固であってほしい、元は水田だったところだけは避けたい。そんな思いと、全国への交通が至便ということで、マンションは神田の地を選んだ。

後藤新平の「衛生」と「防貧」の考え方
 現在の東京は、1923年(大正12年)の関東大震災後に、震災復興の区画整理事業によってできた。今年5月のNHK教育TVで放映されたので、ご存知の方も多いと思われるが、ときの東京市長であった後藤新平の下で一気に復興が進められた。
 神田も、元は江戸の町人町であるが、震災後の復興区画整理によってできた街である。近くを通る道幅36mの靖国通りや44mの昭和通りなど、全体では合計20本もの幹線道路の整備が中心的に進められた。それによって、老朽木造が建ち並び、いったん火がでれば大火になるような、砂埃と汚水混じりの非衛生的な住環境が一変した。
 医者でもあった後藤新平は「衛生」と「防貧」の考え方に基づき、関東大震災で焼け野原となった東京の狭隘屈曲な道路を整理し、交通・通風・延焼防止・水道などのライフラインの役割を果たす広幅員道路に変え、現在の東京の骨格をつくった。

台湾、満州(中国北東部)の都市骨格も
 実は、1920年に後藤が立てた「東京改造八億円計画」は、「後藤の大風呂敷」といわれ、各方面から批判されていたと聞く。八億円といえば、当時の国家財政規模に匹敵するものであったからだ。しかし、関東大震災以前から、既に計画されていたからこそ、3年後の関東大震災に際して、一挙にしかも間をおかずに復興が実現できたのだ。
 「東京改造八億円計画」には、後藤新平の東京市長就任以前の経歴と業績が影響している。日清戦争後の大量の凱旋兵の検疫事業に不眠不休で取り組んで成功した1894年〜1898年までの衛生局長時代、日本軍部との葛藤のなか、鉄道、水力発電、市街地整備、上下水道など、今日の台湾のインフラストラクチャーを造った1898年〜1906年までの台湾時代、「文装的武備」という軍備よりソフトな施策を重視する考え方から、満洲から清国・アジアの安定に寄与した1906年〜1908年までの満鉄時代など、内政から外交まで大きな仕事をしている。
 後藤新平の「衛生」と「防貧」の考え方は、幕末、明治、大正、昭和に至る近代日本の激動期のなかで、台湾、満州、そして東京の都市骨格をつくり上げたと同時に、人の生き方としても、一本の骨格のようにしっかりと貫かれている。

待望される後藤新平の精神
 関東大震災以後造られた千代田区の九段小学校は、パラボラアーチ型のおしゃれな高窓をあしらって今も健在である。また、彼の持論である「自治」という考え方も、検査と薬漬けの現代医学の中で新鮮に響いてくる。
 現在の地方「自治」とは意味が違うが、自分で自分の健康を管理し、自然治癒力を高める意味で、人間に本能的に備わっている能力であると説く。そして、「人のお世話にならぬよう、人にお世話をするよう、そして、報いを求めぬよう」という「自治三決」という考え方を提唱した。さらに、「自治ができる人をつくろう」と、ボーイスカウト運動にも熱心だった。「金を残して死ぬものは下、仕事を残して死ぬものは中、人を残して死ぬものは上」と言い、継続的なまちづくりのために、人づくりの重要性を説いた。
 現在、あらゆる都市問題を抱えた世界有数の巨大都市、東京・・・・いまほど、後藤新平のような高い志と、雄大なプラン、強力な実行力を併せ持った人材が必要だと感じざるをえない。後藤新平は、1929年に政治の倫理化を訴えつつ遊説先の京都で亡くなった。

よみがえる後藤新平が問いかけるもの
 死後80年経った現在、そんな後藤新平が改めて人々の関心を集めている。2005年に著名人が発起人となって「後藤新平の会」ができあがった。そして今年2007年は、生誕150年にあたり、幾つかの記念事業や行事が営まれている。
 第二の関東大震災が来る確率は高い。その時、かつて後藤新平が構想していたような持続可能な首都ビジョンは、果たして描けているのだろうか。蘇った後藤新平が、かつて自分が苦労してつくった骨格道路に、あふれんばかりの贅肉をつけてしまった巨大な肥満都市東京を見ながら、厳しく問いかけているように思う。
 「自然治癒力を超えてしまった東京を、君らはどう考え、どうしようとしているのか」


▲後藤新平賞の創設やシンポジウムなど150周年記念行事が営まれつつある。
(後藤新平の会ホームページより)

参考文献:
●「時代の先覚者・後藤新平 1857-1929」、編者:御厨貴
●「〈決定版〉正伝 後藤新平(全8分冊・別巻1)」、著者:鶴見祐輔
●「小説、後藤新平」、著者:郷仙太郎
参考URL:
●「後藤新平の会」: http://goto-shimpei.org/index.php

 




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