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NGOが行う植林活動とは 〜 3月11日(水)植林活動実務セミナーより 〜

NGO・NPO ナビゲーター 竹澤 明美 (たけざわ あけみ) {プロフィール}

2009年03月24日

去る3月11日(水)、地球環境パートナーシップオフィスにて、アジア・アフリカ世界各地で活動を行う、下記の4団体(*)の方々と共に、「植林活動実務セミナー」を開催させていただきました。
(*)4団体:緑のサヘル、(特活)環境修復保全機構、(特活)地球の友と歩む会/LIFE、コンサベーション・インターナショナル・ジャパン

なぜ企業向けにこのようなセミナーを開催させていただくことになったのか、そしてNGOが行う植林活動とはどのようなものか、そして植林活動について企業とNGOの間にどのような認識の違いがあるのか、につきまして下記のとおりご報告させていただければと思います。


開催に至った理由

昨今多くの企業の方から、NGOが行う植林活動についてお問い合わせいただくようになりました。お問い合わせいただく内容の多くは、「苗木1本あたりの価格はいくらですか?」というものでした。

企業としてはNGO等への支援の成果を様々な利害関係者へ数字・データとして出していく必要があるためかと思いますが、価格で支援先を決めるとなると、どうしても安い苗木を扱うNGOへ集中することとなります。

このことは、ある程度はやむを得ないと感じるものの、長期にわたり様々なNGOの活動を拝見させていただいている立場としては、数値・データ等で貢献度合いを表していかなければならない企業と、実際現地で活動するNGOの考え方の違いを如実に感じておりました。

丁度そのような時、NGOの方から声をかけていただき、今回NGOが行う植林活動について、より詳しい、実務内容にまで踏み込んだセミナーを開催させていただくこととなりました。以下セミナーでの報告です。


植林を行うために必要な費用 (地球の友と歩む会/LIFEの事例より)

下記は、(特活)地球の友と歩む会が、比較的短期(1〜2年間)で行うプロジェクトの一例です(予算:100〜200万円)。NGOが植林活動を行うためには、様々な費用が必要になってきます。
注)下記項目の説明部分は、地球の友と歩む会以外のNGOの方々が本セミナーで発表された事項も付け加えています。

1) 事前調査費用…20%

まずはきちんとした調査を行います。植林を必要としている地域はどこか、どのような樹種が必要とされているか、必要とされる樹木はその土地に本当に根付くのか、どのような樹種であれば実際管理をしていく現地の人々が守り育てようと思ってくれるのか、植えはしたものの想定していた結果と違う結果になりはしないか等々、様々な視点から調査を行います。

2) 現地指導スタッフ費用…20%

現地で活動を進めていくためには、現地の方々を実働部隊として指導していくスタッフが必要です。
植えた苗木が立派な成木として育つよう、水をやったり、家畜の食害等から守ったり、現地の方々には長期にわたり心を配って世話を続けていただく必要があります。

3) 植林経費(苗木・輸送費・労賃)…30%

ここではじめて苗木代が登場します。苗木とは、移植用の幼い樹木のことです。市場から苗木そのものを購入するほか、半年かけて種から育てる場合もあります。木の種類や活動地域によって、価格は15円〜600円と、全く異なってきます。
何千本という苗木を運ぶため、輸送に必要な費用や人件費等が必要になります。

4) 農民研修費用…20%

植林活動は、苗木を植えた後の世話の方が大変です。
温暖な気候で年間を通して雨が降り、乾季というものを知らない私たち日本人にはなかなか実感できいない面がありますが、アフリカやアジアでは雨季や長い乾季があったり、気温が50度近くになったりと、過酷な環境の地域が数多くあります。
地域によっては、日々の飲み水や食糧を得ることが難しい人々であったもに、日々の水やりや家畜の食害、不法伐採等から苗木を守るため、頻繁に見回りを行っていただく必要があります。NGOでは現地の方々に植林の大切さを説明し、理解いただくための研修やセミナーなどを行っています。
苗木が立派な成木になるには月日が必要です(アフリカサヘル地域では10年かかります)。活動を長く続けていくためには、現地の方々が自ら、「やっていこう」「他に何ができるか考えよう」、というような主体的な意識を持つことが大変重要です。そうした意識を持ってただくことが最も大変とのことですが、このことがNGOの大切な役割の一つとなっています。


欠かせない現地の視点

数年前までは、木を1本植えている間に、「10本」の木が伐られている、と言われていましたが、現在では、「30本」の木が伐られているそうです。

理由としては、先進国の私たちが消費する食料や紙、鉱物資源等、物資の原材料調達のためであったり、また戦争や貧困のために途上国の人々が生きる手段として利用する日々の薪等であったりします。

企業が行っている植林活動の中には、もともとある森を伐採し、紙等の原材となる木を植え「植林」としている場合も多く、中には現地の環境に悪影響を及ぼしている場合がありますので、注意が必要です。

NGOの活動に関わらせていただくようになりもうすぐ20年近くになりますが、NGOの方々の活動に引き付けられる理由は、いつもそこに現地で生きる人々や、生き物たちの顔が見えることです。

今回のセミナーでも、4団体の方々が共通して言われていたことは、そこに住む人々の視点を失ってはならない、ただ木を植えるだけでは長期的に環境は保護されない、ということでした。

 

 
「土の力が低下し、立ち枯れが発生しました」 「家畜の食害から苗木を守ります」  
 
「10年後にようやく木といえる状態になります (ニームの木)」  

「地球に優しい植物からつくられています」「二酸化炭素を削減します」、一見美しく感じられるその言葉の裏で、自然資源の開発が進み、現地の人々や生き物が住む場所を追われたり、涙を流したりするようなことになってはいないか、この視点は非常に大切です。

そこに生きる人々や生き物が泣いているということは、搾取の構造になっているということです。搾取によって得られた原材料からつくられたモノを得て、それがたとえ立派な製品であったとしても、搾取側の人間は果たして本当の意味で幸せになれるのか、疑問です。

日本には昔から、様々なものに命が宿るという考え方がありました。身の回りに溢れている製品にも命が宿っているとしたら、それは現地の人々や生き物の涙かもしれません。

話がそれてしまいましたが、NGOが行う植林活動は、基本的に現地の人々の生活を守るための植林活動です。

現在世界各地で起きている環境問題は、貧困問題と表裏一体の関係にあり、根っこの部分で深くつながっています。現地の人々の生活を支え、向上させること、このことが地球を守ることにもつながっていること、このことをイメージしていかないと、なかなか環境問題は解決していかないのかもしれません。

今ほどイメージ力が必要になる時代は、かつてなかったかもしれません。
数十年後の地球のこと、そして大量に日本に輸入されているモノや食料が生みだされている現地のこと、時間や距離を超えてイメージし、日々の生活につなげていくことが必要とされています。
未来のため、そして遠く離れた土地に住む人々にまで思いを馳せ、暮らしていくこと、今そのことが先進国で今を生きる私たちに問われているように思います。

当日は平日にもかかわらず多くの方々にご参加いただきました。心より御礼申し上げます。

 




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