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リサイクル ナビゲーター 有岡 義洋 (ありおか よしひろ) {プロフィール}
2007年07月04日
ある大学の学園祭で環境にやさしい取組として、屋台で利用する紙コップや紙皿を、デポジット制度を導入してリユース可能なものに取替え、浸透させたサークルがありました。
「この取組で1日44袋ものゴミを減らせました!」と自信満々で語ったその後、急に不安そうな表情でこう言いました。
「でも、使ったお皿を洗うのに水や洗剤を使いました。そして、かなりの手間がかかってしまいました。紙製品の利用とどちらが環境にやさしかったのか、迷っています。」
その場にいた教授は「状況により一概にどちらとはいえない」と話しておられました。
じゃあ、どうしたらいいんだろう???
環境負荷を測る方法としては、LCA(ライフサイクルアセスメント)などの手法を用いて、使用した製品やエネルギーの原材料調達から廃棄に至るまでの環境負荷(CO2排出量など)を定量的に測る方法や資源量・コスト面で評価するMFCA(マテリアルフローコスト会計)など何種類かの手法が開発されています。
でも、ここではもう少し別の視点から考えてみたいと思います。
徳島県に上勝町という町があります。ここは、「2020年までに焼却・埋立のゴミをなくす」というゼロ・ウェイスト宣言をしていることで有名なところです。
実際にゴミ捨て場は1箇所、しかも分別は34種類。これにより既に焼却・埋立の割合はそれ以前の6分の1程度にまで削減されています。
なぜそんなことができたのか?
最初は危機感。小型焼却炉を止めた平成13年当時は、処理コストの増大を避けるためにやむなく行政主導で始めようとしたのです。
ところが当然ながら住民は猛反発。不便、面倒、高齢者にはきついなどなど、不満続出。
ではなぜ?
変わったのは、「伝え方」。
分別することがリサイクルにつながることを熱心に住民に伝え、具体的に何がどう再商品化されるのかをイラスト入りでゴミ捨て場に張り出したところ、住民の理解が進み、協力が得られるようになってきたそうです。
そして、いざやり始めると、「環境にやさしい町」と全国から注目され、人々も環境を想う心が芽生えてきました。人々には笑顔が戻り、高齢者もゴミ捨て場まで毎日歩くことで元気になっていったとのこと。
「なぜリサイクル(分別)するのか」を分かりやすく伝え、それを住民が共通の目的として理解したことで、協働の意識が芽生え、そしてリサイクルが進んでいったのです。
手間をかけて、場合によっては、容器をあらうのに水や洗剤も使ったかもしれません。また、34種類もの分別はやりすぎという意見もあります。厳密に言って同町の取組が他の地域と比べてどこまで環境にやさしいのかは、有識者の発言どおり「一概に言え」ません。
しかし、人々が環境を想い、少しでも環境にやさしいと信じることを、手間や労力を惜しまずに行動する、そして笑顔と健康という健やかな生活を手に入れた。
それがまた環境を想う仲間を増やし、環境配慮の環が広がっていく。
なによりも怖いのは、無関心の環です。それを関心→参画へと変換していく先駆者の「想い」と「行動」が大切なのだと思います。
冒頭の大学生にも言いたいと思います。
「君は環境を想い、行動した。そして、多くの賛同者を得た。そうした取組が何よりも環境にやさしいのです。」
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